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東大寺修二会と灯芯

2023年3月3日スタッフブログ

【十一面悔過法要】

 

いつもホテル リガーレ春日野をご利用いただきありがとうございます。

 営業課 荒木でございます。今回は修二会に合わせて、どうしてもお伝え  

 したく、担当月ではないのですがご紹介させていただきます。

 

少しお付き合いくださいませ。

 

 

 

 

毎年3月1日から14日に東大寺二月堂で行われる『修二会』、お水取りという名で親しまれ、春の訪れを告げる行事として知られています。

お水取りと言えば、大きなお松明が有名ですが、「不退の行法」として752年(天平勝宝4年)から一度も途絶えることなく連綿と引き継がれています。令和5年の今年は1272回を迎えます。

今回はその二月堂内の灯全てが、安堵町で育てられた藺草から取り出された灯芯が使われているお話をさせていただきます。

 

NPO法人奈良まほろばソムリエの会 理事 小倉先生のご紹介で2月23日に安堵町「灯芯保存会」の川口さんと大門さんにお会いしまして、とても貴重なお話しを聴くことができました。

『修二会』でどのような灯りが使われているのか?想像もしていませんでした。

灯芯を植物油に浸し、火を灯す。芯が長いほど点灯時間は延び、束ねれば強く大きな火となります。

局で聴聞した際とても大きな灯りがあったことを思い出し、その灯りもこの灯芯だったことを初めて知りました。今はコロナ禍で局での聴聞は叶いませんが、いつの日かまた…。

そして、お話をお聴きしたまさにこの日に、行事に先立って『灯芯揃え』が行われ、灯明の種類に合わせた灯芯をつくり、灯芯箱に納める作業が行われたそうです。

 

灯芯とは、藺草から取り出した髄です。藺草と聞けば、畳を想像しますが種類が異なり、茎が太く、丈の短い品種だそうです。私、思わず聞いてしまいました「畳と同じですか?」と(笑)

安堵町は全国で3番目に小さな町で法隆寺のすぐ東となりにある町です。江戸時代の頃は低湿地帯であることを利用してお米の裏作として藺草を栽培されていたそうです。電灯の普及や和ろうそくの利用も減るなどのことから、町では一度藺草が栽培されなくなったそうです。平成8年に「灯芯保存会」が発足し、資料館前の水田で藺草栽培を復活させ、灯芯ひきの技術を次世代に伝ええる活動を始められました。

安堵町で栽培された藺草を使い、そして芯を取り出す作業=灯芯ひきは、灯芯保存会の皆さんがボランティアでなさっています。

安堵町はじめ、東京や京都など他府県の方も会員として活動されています。

 

伝統産業としての灯芯ひき技術は、平成27年6月1日に町指定文化財に指定されました。経験が必要とされる作業なので慣れないと途中で切れてしまうそうです。

なんと!安堵町歴史民俗資料館(安堵町大字東安堵)で灯芯ひきを体験ができるそうです。

予約が必要なので詳しくはお問い合わせください。(0743-57-5090)http://mus.ando-rekimin.jp/

 

実は安堵町の『灯芯』は知る人ぞ知る!で何度もテレビや新聞の取材を受けているそうです。

何事も知ると興味が拡がります。安堵町にはほかにも重要文化財中家住宅はじめ、飽波神社に、極楽寺などたくさんのおすすめスポットがあります。一度はゆっくりと訪れ、巡られると新たな発見がありそうですね。

 

お水取りの期間にホテル リガーレ春日野でも、安堵町の灯芯の灯りを楽しんでいただけるよう、灯芯をいただきましたので、ぜひ、この機会に灯芯の柔らかい灯の温かみを感じにお越しください♪

安堵町情報にご興味がございましたら、私、荒木までお声かけください。

 

*なお、3月11日と12日は東大寺お松明を拝観できませんのでご注意ください。

コロナの感染症対策として、堂内や局での聴聞は一切できません。

 

今回ご縁を繋げてくださった小倉先生は「廃寺のみ仏は、今」の著者でした。一日に何度も嬉しく驚く一日でした。

 

他にも薬師寺修二会や元興寺地蔵会、法隆寺金堂修正会などでも安堵町の灯芯が使われています。知っているとその灯りを目にした時、少し嬉しく今までにはない想いが沸いてくることでしょう。まだまだ、知らない奈良がたくさん!これからもご縁をいただきながら皆さまにお届けできる情報がございましたら紹介させていただきます。

お付き合いいただきありがとうございました。

 

 

 

 

   

 

ホテル リガーレ春日野

営業課 荒木聖代

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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